レヴィオルストーリー3
…やっぱり鈍感アレンはご健在。
めちゃくちゃ乙女思考なレイの考えがわかっていないらしい。
「だから、その…。帰ってきたらまず私と話すって…」
「ん?まぁ、そりゃ…うん」
やっと彼女の言いたいことがわかったアレンは、そう言いながら少し笑った。
レイは更に真っ赤になる。
「わ、笑わないでよっ」
「ごめんごめん」
やっぱり笑いながら謝るアレンはどこか嬉しそう。
それに気付いたレイも結局は幸せそうに笑顔を見せる。
「…完璧に色ボケしてますね。
探しましたよ、アレン様」
マリアンヌが呆れながらそう声をかけてきた頃には、もう立ち話をして30分が過ぎていた。
ハッとしたカップル二人は慌てて使用人に目を移す。
「あ、マリアンヌ…。忘れてた」
「あらまぁ、マケドニス様を見かけたから探してみれば…とんだ扱いですね」
「…悪かったって」
黒い笑みを浮かべるマリアンヌに苦笑しながら、アレンはレイの頭を撫で「いってくる」と囁いた。
それを見上げるレイは頷くといってらっしゃいと微笑む。
「ほんっとに幸せそうで何よりです」
「…うるっせぇな。で、何か用があるのか?」