レヴィオルストーリー3

近付くなり皮肉を言われ、アレンは少しむすっとしながら訊ねた。


…レイといれなくなったから、というのもあるだろう。



それを見通し笑う使用人は、一度真顔に戻りこう伝える。



「教皇様から連絡がありました」



…その言葉に自分も真顔になるアレン。




「連絡…?何て??」


「こちらに来てほしい、とのことです」


「俺だけ?」


「はい、皇帝様達は呼ばれていません。

渡したいものがあるらしいです」



使用人の報告に勇者は眉を潜めた。


渡したいものなど、送ってくればすむ話なのに。



「…まぁいい。来週、リルム達も一緒にルルアンの家に行くから…。その時に寄るって伝えとけ」


「そういえばあの子そんなこと言ってましたね。わかりました、連絡しておきます」



仮にも教皇様のところに『寄る』なんて言っていいのだろうか。


この場にニーナがいたらさぞかし怒ったことだろう。



しかしこの二人はそんなことには一切触れず別れてしまった。



…恐いものなし同士はある意味危ない。




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