レヴィオルストーリー3
そうして一人になったアレンは自分の執務室に入り椅子に腰掛けた。
それから机の上にある仕事を取り、少し眺めてからペンを握る。
アレンがやり始めた仕事は本来武帝であるギルクがするものだった。
彼は今この城にいないのだ。
ギルクは予定だともうすぐ出産するイルに付き添う為、言っていた通りトウキシティに里帰りしている。
その分の仕事は臣下にまわしていたのだが、やはり彼の立場上任せれないものもあったためアレンやマケドニス、レイがそれをしていた。
そして、それに対して文句も言わず黙々とペンを走らせるアレン。
彼が親友の分の仕事を終わらし、自分のそれにかかったところで不意にノックの音がした。
「…ん」
誰なのかわかっている勇者様はそれだけ言うとまた紙に目を戻す。
そんな彼に苦笑しながら部屋に入って来たのは、彼自身の側近だった。
「アレン様、もう少し言い方はないんですか。入れくらい言って下さい」
「…めんどくさい」
「臣下だったら困るでしょう」
「そん時はちゃんと言う」
その主人の返事に側近は自分の扱いが酷いと小言を溢し出した。
しかしそれすらも無視される。
哀れマケドニス。
しかしそれが日常。