レヴィオルストーリー3
もう慣れっこな側近は気を取り直して主人に歩み寄った。
顔を上げもしない彼の視線の先の紙をひったくり、こちらを向くように仕向ける。
そうすることで、やはりアレンはめんどくさそうにマケドニスを見上げた。
完璧に彼の扱い方を熟知している。
慣れるまでさぞ苦労したであろうマケドニスは、それを微塵も感じさせない笑顔を目の前の青年に向けた。
「…さっきマリアンヌに会いました」
「…へぇ。それで?」
「教皇様に連絡したところ、火曜日に来てほしいと言われたそうです」
「…わかった」
いつものように短い返事を返し、アレンはマケドニスから紙切れを奪い返すとまたそれに取り組み始めた。
ギルクの分の仕事を指差し、「これ持って行っときますよ」という側近にコクリと頷く。
アレンはマケドニスが執務室から去りやっていた仕事が終わってから、机の上のカレンダーを見た。
ペンの先で日付を辿り来週の火曜日を探し、見つけて印をつけようとして――固まる。