レヴィオルストーリー3

「わしも戦力かのって…。メディン、お前自分の実力わかって言ってんのか?」


殴られた頭に出来たたんこぶを擦り、ルティは苦笑しながら老人に訊いた。



「わしはもう引退した身じゃ」


「アレン君の師匠してるくせに」


すかさずメイが茶色い巻き毛をいじりながら言う。


メディンは酒――ちなみに老命酒、を飲みながらまた笑った。



「アレンは特別じゃ。わしの孫も同然じゃからのう」


「孫、ねぇ。強い孫だこと。

リディンさんもシリティーとかいう子を教えてるんですって?」


結局は自分も酒を飲み出したメイ。


彼女は今度はリディンに話を振った。


実はかなりおしゃべりな航海士さんは、話し出すと止まらない性格なのだ。




「あぁ、そうじゃよ。教皇の親戚らしくての、才能もあるし飲み込みもよい」


「教皇の親戚!?すんごいのいるわねぇ」


めちゃくちゃ感心しながらおつまみをつまみ出し、メイはレヴィオルは凄いなどと言って軽快に笑い声をあげた。



……もう酒が回ったのだろうか。




そんな大人ばかりの集団とはしゃぐ子供が居る甲板に、どうやら誰かに叩き起こされたらしい不機嫌なアレンがやって来た。



ルティが手招きするとそれに気付き、頭を掻きながら歩み寄ってくる。





< 132 / 500 >

この作品をシェア

pagetop