レヴィオルストーリー3
すっかり忘れていたらしい子供たちは、メディンに気付かされ固まった。
どうしようどうしよう、というチビたちのやり取りをぼんやり眺めてから、アレンはまた写真に目を移す。
…今度、ローレムさん達に話してもらおう。
どうして父さんと知り合ったのか、とか。
そんなことを思いながら、アレンはついには今日誰がここに泊まるのかで喧嘩しだした子供たちに苦笑した。
それを宥めるリディンは何故か楽しそうだし、ルティもふざけて自分も喧嘩に混じっている。
……一体何歳なのか。
どうやら自分のまわりには、精神年齢の低い大人が多いようだ。
そうこうするうちに、結局その日はアレン、レイ、マケドニスとユーリ、ルシイル、リルムが泊まることになり、他メンバーはホテル行きとなった。
ルティは泊まる予定はないので自分の仲間達のもとへ帰ったとか。
また明日も喧嘩するんだろうな、と思うと少しげんなりする。
「…お前女みたいだな」
「うるさいなっ!このバカ勇者っ!!」
「こらっ!アレン様に向かって何てこと言うんだお前!!」
風呂に入ったユーリがくねくね長髪になっているのを見て、アレンはここぞとばかりにからかった。
普段独特な髪の毛の結い方をしているユーリは真っ赤になって怒り出す。
アレンとユーリとマケドニスのやり取りを見て大爆笑するルルアンは、ユーリ様必殺瞬発枕投げを喰らったのだった。
そんなうるさい部屋で見事にぐっすり眠り込む赤ん坊は、やたらとゴロゴロと寝返りをうつ。
事件が起こる、四日前。
影は刻一刻と、近付いて来ていた――…