レヴィオルストーリー3
「…………………。」
「…………………あ」
「……何してるのかしら?」
「……………あは、覗き?」
その後、子供たちとマケドニス、荷物を先に取りに来たルティとその仲間は地獄を見たのだった。
見事に隠れ通したのは老人二人とエルフの夫妻、それとルルだけだったとか。
ちなみにリルムとその友達の女の子、更にはルティの仲間の女性達は、顔を真っ赤にしてぶっ倒れていた。
……恐るべしアレンパワー。
さてさて、そんなことは露ほども知らずすたすたと森を歩くアレン。
本当は移動魔法で行きたいところなのだが、そうするといきなり現れて失礼なので徒歩で行くことにしたのだ。
途中まで魔法で行こうにも、急に有名な勇者が街中に現れると騒ぎどころでは済まない。
てなワケでアレン曰く『クソだるい』、『めんどくさい』方法で教皇様の元へ。
森に住む動物やエルフの視線が痛いが、慣れっこなアレンは気にせず進んだ。
――…そのせいで見落としたものがあるのにも、気付かずに。
「……やっと着いた…」
うんざりしながら呟くアレンが見上げる先には、真っ白な神々しいリシェラルクきっての大聖堂。
その門をくぐり、早く済ませようと歩みを進める。