レヴィオルストーリー3

お馴染み巫女姿の使用人に案内され、アレンはすぐに教皇のいるあの金色の扉に着いた。


使用人が教皇に声をかけ、中から「お入りなさい」と返事が来る。



アレンを中へ連れると、巫女は一礼して去っていった。



それを見送ってから白き美人、サリルナ教皇はやんわり微笑む。




「急にお呼びしてごめんなさいね」


「…いえ。渡したいものって何ですか?」


アレンの問いに首を振ってみせた教皇は、彼が最初に来たときのように部屋の隅のソファーまで移動した。


先にここに来てそれから話そう、と言いたいのだろう。



それを読み取ったアレンは大人しく着いていき、ソファーに腰を下ろす。



二人向き合ったところで教皇は深呼吸し、不思議がる勇者をじっと見つめた。




「……まず、最初に訊いておきますわ。

アレン、貴方あの日からラレスカには行っていませんわね?」


「……はい?」


何を言っているんだ、とばかりにアレンは怪訝そうな顔をする。



ラレスカ――アレンの母ナティアの生まれ故郷。



そして公開はされていないが、闇王ダーチェスの“核”を封印している場所。





そこには何人たりとも近付いてはいけないとされている。






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