レヴィオルストーリー3
「それ、レヴィオル製ですわよね。形は少し変わっていますが…」
「…はい。見たことない種類だけど、そうです」
教皇の確認にアレンは頷いた。
短剣は多分一昔前のものか、誰かが特注で作ったもの。
後者ならばレヴィオル国民だけでなく他の国の人間もあり得る。
「とりあえずそれを渡したかったのです。
闇王の封印の場所は他言していないのにおかしいと思いまして…。
手紙で話せる内容でもありませんし」
教皇はそう言うと困ったように眉を下げ笑った。
鞘に納めた短剣を腰の自分の剣の横に提げたアレンは、その教皇の表情に苦笑する。
「それもそうですね。話はこれだけですか?」
「ええ。わざわざ呼び出してごめんなさいね」
「大丈夫です」
…正直大丈夫ではなかったが。
それは言わずに立ち上がり、これから用事があると言いアレンは早々と大聖堂を去ることにした。
少し予定より早いが、レイのことだから早めに湖に向かうだろう。
「またいつでもいらして下さいな」
「はい。ありがとうございます」
「とんでもない。親友の息子ですもの、大歓迎ですわ」
その発言と笑みにまた苦笑し、アレンはぺこりと頭を下げた。
何かわかったらまた知らせます、そう言ってどでかい部屋を出る。