レヴィオルストーリー3
(森の中をある程度進んだら移動魔法しよう)
首都から出て歩きながら、アレンは考えた。
あの森だと光も目立たないし、エルフと動物しかいない。
エルフは穏やかな性格な人が多いから、騒ぎ立てられることもないはずだ。
そう結論付けて森に足を踏み入れる。
そして歩きもせず、すぐにアレンは立ち止まった。
「…………………。」
――…おかしい。
そう気付いたのを相手に悟られないように、腰の剣を確認したフリをしてまた歩み出す。
…何かが、いる。
気配でわかった。
少し覚悟していたエルフや動物達の視線がなく、かわりに刺々しい獲物を狙うような鋭い視線がまとわりついていた。
冷静に対処しようとアレンは歩きながら静かに目を伏せ、その気配が何なのかをバレないように調べる。
そして、気配の正体がわかると微かに眉を潜め首を傾げた。
…何故、彼らがここに?
だが何にせよ空気的にあちらは攻撃しようとしている。
大事な用事があるし邪魔されたくないな、とアレンは足元に魔方陣を広げた。
森の敷地へどんどん広がるそれは、敵意むき出しの“彼ら”を一気に金縛りさせる。