レヴィオルストーリー3
第一章◆
「……本当に、それでいいのか?」
──…月が街を照らす真夜中。
ある一軒家の中で、話し込む二人の男女がいた。
「……うん。でも、絶対に最後はまた…」
「…わかってる。俺はお前ら以外何もいらない。
例え、同族に非難されようともな」
普段無口なその男の言葉に、女は口元を手で覆い涙する。
それを優しく見る男。
「……私も。愛してる…」
そう呟くいつもは元気な彼女を見やり、男は溜め息をついた。
「……明日行く。城に。式典が終わればアレンも対応してくれる」
「うん…」
「…泣くな。こいつは存在がバレなければ大丈夫だ」
「うん…」
男は尚も泣き続ける女の涙を拭い、その滑らかな頬にキスをした。
それから抱き合う二人の横には、揺りかごに揺られる赤ん坊が。
「………必ず、また三人で暮らそう。
少しの辛抱だ……」
男の小さな、本当に小さな囁きは静かな部屋に吸い込まれ、そこには女の嗚咽だけがひたすら響いていた──…