レヴィオルストーリー3
返ってきたのは部下の決まりきった返事。
それを受け、指示した悪魔は周りを見回し準備が出来たことを確認した。
「さぁ、行くわよ」
動ける者全員に声をかけ、背中から漆黒の羽をバサリと広げる。
それはまさに“悪魔の羽”。
その羽は出すことで悪魔の魔力を高めるはたらきがあるのだ。
「海で落ちないようにしなさいよ。じゃあ…出発!」
ディルネの合図と同時に大多数の悪魔が地面を蹴って空を飛んだ。
一種異様な光景に残ったゲインは目を細める。
「さぁ、ゲイン。私達も行くわよ。
まさか勇者を背負って飛んだりするつもりはなかったでしょうね?」
「はい、ありません。さすがに見られるとまずいですし。お願いします、ディルネ様」
丁寧に頼んだゲインにディルネは妖艶に微笑んだ。
それから魔方陣を自分とゲインの足元に広げ、懐から小瓶を取り出す。
「血に流れる魔力よ、私に力を貸しなさい」
彼女はそう言って小瓶の中に入っていた液体――紅い色をした正真正銘の血を魔方陣に数滴垂らした。
灰色に光っていた魔方陣が、一瞬金色に光る。