レヴィオルストーリー3
今度は赤くなって放心しだしたラヴァネに、ミュリエルは困った顔をした。
この男、仕事は出来るのだがこういうところが抜けている。
…まあ俗に言うヘタレである、というワケで。
「ほら、ミカエル様が呼んでるんでしょ?行かなきゃ」
「う、うん…。あ、ミュリエル」
手を繋いだまままた話しかけてきたヘタレに、ミュリエルは再度振り返った。
そして、長身な彼の真面目な顔を見上げかなり面食らう。
「な、なぁに?」
「…さっき、どこを見てたんだい?」
「…………………。」
いつになく真剣な幼なじみ。
そんなラヴァネの問いに、ミュリエルは気まずそうに目を逸らす。
「レヴィオル国を見てたの?」
「こんなとこから見えないわ」
「でも西の方角だった。あっちにはレヴィオル国しかないよ」
「…………………。」
全く、ヘタレのくせに変なところで鋭い。
溜め息をついて負けを認めたミュリエルは、小さく頷き視線を落とした。
それを見たラヴァネも悲しそうに彼女を見下ろす。