レヴィオルストーリー3

「今日ミュリエルを呼んだのはね、ちょっと問題が発覚したからなんだ」


ミカエルは微笑みながらミュリエルを見つめる。


その何を考えているのかわからない瞳から目を逸らさないように、大天使は一生懸命頑張った。



(ミカエル様って苦手…)



そう思いながらも首を傾げ口を開く。



「問題って、何ですか?」


「聞きたいかい?」



…聞きたいから訊いてるんだけど。


それは言わずにコクりと頷き、また目の前の上司の目を見つめる。




「ちょっと、大天使だったミュリエルにはショックかもしれないけど…」


「今も大天使です」


「…あ、そうなのかい?これは失礼」



ミュリエルの訂正に微笑みを崩さぬままミカエルは謝った。


ラヴァネがミュリエルの服の裾を引き、「失礼だろ」と口パクしてくる。


しかしそれは無視してミュリエルはまたミカエルに視線を戻した。



「…そう、ショックかもしれないけど…」


ミュリエルの瞳が自分を映し出しているのを見ながら、ミカエルはまた話を切り出す。




そしてその薄い唇から、衝撃的なことをさらりと口にした。





「勇者アレンが悪魔の手に落ちた。

これは天使族最大の危機。





――…そこで君にやってほしいことがあるんだ」






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