レヴィオルストーリー3
「えっ…?」
我が耳を疑う上司の話の内容に、ミュリエルは目を見開いた。
――…アレンが、何て?
「あの…間違いでは?アレンが悪魔に味方するなんて、私には考えられません…」
眉を潜めて言うミュリエルに尚も笑い、ミカエルはうんうん頷く。
しかしその目は笑ってはいなかった。
――…さっきから、ずっと。
「…私は悪魔の手に落ちた、と言ったね。勇者アレンは味方したワケじゃないんだ。
簡単に言うと拉致とか誘拐、まぁそんなところかな」
「連れ去られたってことですか…?」
「あぁ、北大陸で」
…どこからその情報を仕入れたんだろう。
そう疑問に思うものの訊ける筈もなく、胸の中に不安が渦巻く。
(アレンが連れ去られるなんて…。あんなに強いのに。
間違いじゃないの?
もし本当だとしても、一体何をされたの…?)
「…あの、ミカエル様。ミュリエルにやってほしいことって何ですか…?」
黙っていたラヴァネがやっと口を開いた。
その質問にミュリエルも顔を上げミカエルの言葉を待つ。