レヴィオルストーリー3
「ルルアンのお家までお願い」
アレンの魔力を感じたエルフの森。
そこはエルフの魔力が入り組んでいて、移動魔法の場所に設定するのは難しい。
そこでそのすぐ外れにあるエフィア家に一旦戻ることにしたレイは、猫の姿をした精霊に静かに告げた。
猫は体をレイに擦り付け、にゃあと一声鳴く。
その途端周りの景色が一変し、次の瞬間レイはルルアンの家に戻って来ていた。
そこでは予想通りマケドニス達が慌てて家を出ようとしている。
「あ、レイ様!どこに行っていたんですか!今二回大きな魔力がってメディンさん達が…」
「えぇ、私もそれを感じて戻って来たの。アレンはここにはいないのよね…?」
「…はい」
不安げに訊いたレイに、マケドニスは頷く。
それを見たレイはキッと眉を吊り上げその場を飛び出した。
マケドニスとルティもそれに続き、メディンとリディンと子供達はもしかしたら帰って来るかもしれないとその場に残る。
「アレンだから大丈夫だろうが…嫌な予感がするな」
「気が合いますね、同感です」
走りながら言う二人の声を聞きながら、レイは今朝貰った髪飾りを握りしめひたすら足を動かしていた。