レヴィオルストーリー3
ポツポツポツ、と雨が降り始めた中、それに気付きもせずレイは箱を開けた。
白い箱の中にはまた白い箱が。
それを取って見たレイは固まる。
――…指輪入れ、だ。
それの蓋も開けると、やはり中には指輪が。
綺麗なダイヤモンドを輝かせ、その存在をレイに見せつける。
「『A.L』…」
――…アレン、レイ。
落とし物の正体を知り、レイは一気に涙ぐんだ。
雨と一緒に涙が落ちて、湿った地面に吸い込まれる。
「アレンっ…!」
少女の叫びは、彼には届かず。
震えながら泣く彼女に、手を差し出してくれる愛しい人はここにはいない。
マケドニスとルティが振り返り悲痛な表情で見守る中、レイは指輪を握りしめ泣き続けた。
優しい微笑みを向けてくれる彼を、ひたすらに想いながら――…