レヴィオルストーリー3
「それはだな、エルフにしか出来ないことなんだ。
エルフはちょっと特別な魔力を持ってて…、“時”を操ることができる」
『“時”を…?』
わからない、とでも言いたげにクナルは眉間にシワを寄せる。
そんな彼女に苦笑し、ルティはまた説明をはじめた。
「エルフが密猟される理由がそれなんだ。
代表的なのが“時わたり”。
“時”を操って過去に行ったり未来に行ったりする魔法だ。
俺らがしてもらったのは“時停め”」
『…名前の通りね』
「あぁ、まぁそうだな。エルフは素直だから」
…それ関係なくね?
とか誰かが思ったかは置いといて。
『…で、誰が犯人かはわかってんの?』
復活したコニスがリルを肩車しながら、逆に笑える真剣な表情で旅行組に訊ねた。
「…大体は」
黙っていたマケドニスが答え、焦りをその顔に滲ませる。
彼の様子にあまりよくない相手だと思ったのか、その場の全員が表情を硬くした。
『……誰、なの?』
クナルが緊張しながらもマケドニスに問う。
しかめっ面の勇者の側近は一つ息を吐き、それから自身らの予測を彼女らに言ってのけた。
「…………悪魔、たち」