レヴィオルストーリー3
ディルネの発言に眉を潜め、アレンは彼女に聞き返した。
もう、と溜め息をついたディルネはアレンについた鎖を持ち上げる。
「ほら、鎖。貴方はもう私のモノなんだから」
「…………は?」
「は?じゃないの。本来なら地下牢行きなんだから、感謝しなさい」
「………意味わかんねぇし。俺はモノじゃない」
何言ってんだコイツ、みたいな顔で見てくる青年に、悪魔は苦笑し目を細めた。
鎖を手放し、アレンを指差す。
「いい?悪魔より遥かに劣った人間は、私達からしたら“モノ”なの。モノは誰かが所持するでしょう」
「…その人間に何十人も使って手こずったのはどこのどいつだ」
「二百人よ。私達ですけど何か?」
それがどうしたの、と微笑んでくるディルネに、コイツ駄目だとアレンは諦めた。
というよりめんどくさくなったのだ。
「そのうちそんな態度とれなくなるわよ」
「……あっそ。これ外せ」
「嫌よ。逃げるでしょう?」
「当たり前。大体俺は何で拉致られたんだ」
しかめっ面して言うアレンになおも笑顔のディルネ。
その違いにもイライラし、アレンは思いっきり横につく悪魔を睨んでやった。