レヴィオルストーリー3

一方凄まじい目付きで睨まれたディルネは勇者に楽しそうに笑い、それから質問に答える。



「そんな顔したら教えてあげなーい」


「……答えになってねぇし」



はあ、と溜め息をつくアレン。


一体何回つけば気がすむのか。



「……あ、指輪…」


「ん?」


「あの、白い箱は…?」


ふと小さく呟いた青年になんだと耳を寄せれば、彼は急に睨むのをやめディルネを見上げてそう訊いた。


19歳の男の上目遣い(無意識)に思わずきゅんとする悪魔。



「……やん、かわいい」


「……は?」


「ううん、何でもないわ。白い箱…って、あぁ、あれ?あの大事そうにしてた…」


ディルネの言葉にコクンと頷き、アレンは先を促した。


そんな彼を見ながら何か思いついたのか、女性は微かに笑うとこう口にする。



「あれなら、地下牢の物置にあるわ」


「地下牢の物置…?取って来い」


「嫌」


信じ込んで命令したアレンにディルネは即答した。


舌打ちした勇者を見下ろし、その緊張感のなさに少し呆れる。



「あのさぁ、あんた捕らえられてるのよ?」


「あ?」


「なぁに、その余裕な態度。ムカつくを通り越して呆れるわ」


「……あっそ。まぁ焦ってもしょうがないから」




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