レヴィオルストーリー3
そんな勇者を横目で見た悪魔はクスリと笑って青年に向き直る。
「……ねぇ、知ってる?」
そう囁きながら顔を覗き込んでくる女。
そいつを睨み怪我を庇いながら、アレンは何も答えずじっとしていた。
逃げられない状況で暴れても、さっきのように痛い目を見るだけ。
そう必死に自分に言い聞かせながら、目の前の銀色の瞳を真っ直ぐ見上げる。
「……答えなさいよ。まぁいいわ。
ね、悪魔の寿命って、大体300歳でしょう?」
一瞬ムッとしたディルネだったが、気を取り直してまた質問をした。
さすがに無視しすぎると何をされるかわからないため、仕方なくしかめっ面しながら頷くアレン。
そんな彼に満足そうに笑うと、彼女は人差し指を青年の前に突き出し楽しそうにゆっくり話す。
「…だけどね、私はそれ以上生きてるの。何歳かは言ってあげないけどね。
この争いが起きた原因だってこの身で見たし実感したわ。
どうしてそんなに生きてるかわかる?」
「………は?わからない」
何言ってんだ、とでも言いたげな顔でアレンは悪魔にそれだけ言った。
ふふ、と笑ったディルネは笑みを妖しく艶やかなものに変えると、その答えを人間の青年に耳打ちで教えてやる。
「……悪魔はね、魔力の強い血を飲むと寿命が延びるのよ」