レヴィオルストーリー3
一方、アレンがいる部屋から出ていったディルネは。
「あ、ちょっとグロア」
時間になって働く準備をはじめた悪魔の群れの中に、ある子供を見つけひょいひょいと手招きをしていた。
気付いたその子供がパタパタと駆けてやって来る。
ショートボブのその少女を見下ろし、ディルネはにっこり微笑んだ。
「グロア、あのね。あんたに勇者の世話をしてほしいのよ。食事とかはあげなきゃ、死なれちゃ困るし」
「えっ?あたしが??」
「あんたなら暇でしょう?」
「それ失礼っ、確かにそうだけどお~」
言われた少女――グロアは、悪魔らがみな畏敬の念を送るディルネにそんな言葉遣いで拗ねてみせた。
見た目だと育ち盛りの元気な15歳だが、悪魔なので実年齢はわからない。
「本当のこと言っただけじゃないの。とにかく頼んだわよ、私は忙しいんだから」
ディルネはそう言うとグロアの頭をポンポンと叩き、そのままどこかへ去って行った。
その後ろ姿を見送りながら、悪魔の少女はニヤリと笑う。
「やたっ、ラッキー♪おっもしろいことになっちゃったあ♪」