レヴィオルストーリー3
――…それから少し、時間が経って。
何時間もの間逃げる方法を考えていたアレンは、うとうとしながらベッドの端に腰掛けていた。
(疲れた…)
考えすぎて頭がパンクしそう、などと思いながらもまたどうしようかと考える。
しかし半分眠りの中の意識で何かを思い付くワケもなく、結局一旦寝ることにしたアレンはばたりとベッドに倒れ動かなくなった。
そんなところへある悪魔が元気よく鼻歌を歌いやって来る。
「ふんふんふ~ん♪お食事をお持ちいたしましたあ~っ」
……………しーん。
「ふふふんふ~んっ、無視しな~いでえ♪」
……………しーん。
「…おろ?寝てます?死んでます?」
アレンが無視しているのではなく反応しない、と気付いたグロアは、お盆を持ってきた机に置くとその顔を覗き込んだ。
整った寝顔ににやけながら、少女はイヒヒと楽しそうに笑う。
「噂通りイケメン♪」
「…何だてめぇ」
「へ?…っひぎゃああああ!」
いきなりぱっちりと目を開いたアレンに心底驚き、グロアは品のない叫び声を大音量であげた。
勇者様は眉を潜めて耳を押さえる。