レヴィオルストーリー3

「…るっせぇ黙れ」


「ふ、不機嫌でございますね勇者さま。てか起きてたの!?」


「こんなとこにいて機嫌がいいワケねぇだろ」



グロアの気配で起きた、ということはあえて言わずに、アレンはしかめっ面して舌打ちした。


悪魔の少女は最初こそビクビクしていたものの、青年が繋がれている状態なのを見ると眉を下げアレンを見つめる。



「…逃げられないの?」


「…………………。」



本当に苦しそうに言う少女に、知ってるくせに、という顔をしながら勇者は押し黙った。


その様子に更に悲しそうになったグロアは、ベッドについた血にも気が付き目を見開く。



「………血…」


「…それがどうした」


「怪我してるの?」


「…………………。」



冷えきった碧の瞳で悪魔を見上げるアレン。


グロアは見せて、と囁くと寝そべった彼の服に手を伸ばした。



その瞬間拒絶するかのようにアレンは寝返りをうつ。




「……見せて。痛いでしょ?」


「……黙れ」


「ねぇ、何をされたの?あたしを信じて」


「…………………。」




< 204 / 500 >

この作品をシェア

pagetop