レヴィオルストーリー3
「…るっせぇ黙れ」
「ふ、不機嫌でございますね勇者さま。てか起きてたの!?」
「こんなとこにいて機嫌がいいワケねぇだろ」
グロアの気配で起きた、ということはあえて言わずに、アレンはしかめっ面して舌打ちした。
悪魔の少女は最初こそビクビクしていたものの、青年が繋がれている状態なのを見ると眉を下げアレンを見つめる。
「…逃げられないの?」
「…………………。」
本当に苦しそうに言う少女に、知ってるくせに、という顔をしながら勇者は押し黙った。
その様子に更に悲しそうになったグロアは、ベッドについた血にも気が付き目を見開く。
「………血…」
「…それがどうした」
「怪我してるの?」
「…………………。」
冷えきった碧の瞳で悪魔を見上げるアレン。
グロアは見せて、と囁くと寝そべった彼の服に手を伸ばした。
その瞬間拒絶するかのようにアレンは寝返りをうつ。
「……見せて。痛いでしょ?」
「……黙れ」
「ねぇ、何をされたの?あたしを信じて」
「…………………。」