レヴィオルストーリー3

微妙な雰囲気だった中いきなり大声をあげ、グロアはアレンにいきなり抱き着いた。


アレンは驚きなんとか踏ん張るものの、力を入れたせいか傷口からまた血が滲む。



「…っな、何…離せ!」


「かっこいいっ、まず第一に銀色じゃない!」


「はぁあ!?」


何言ってんだこのガキ、と怒鳴り付けたくなる勇者さまを抱き締め離さないグロア。


全くもって意味不明だ。


敵なのに心配してくると思ったら、何だかわからないけど抱き着いてきて。



「めんどくさい…」


言うままに思ったアレンは、グロアを引き剥がしベッドから無理矢理突き落とした。


「うぎゃあっ」とか言いながら床に転がる悪魔の少女。


…イルみたいだ、と素直に思った。



最近は彼女の妊娠のこともあり、こんなじゃれあい(?)はしていなかったが。



そんなことを考えている内にグロアは起き上がり、床に座り込んでアレンを涙目で睨み付けてきた。



「うぐっ…ひどいぃぃアレン様ぁ…」


「…お前に様呼びされるのも癪に触る。ふざけてんのか」


「えっ、じゃあアレン!」


「黙れ呼ぶな」


鬱陶しい、と付け加えてアレンはまたベッドに横たわった。




(疲れた…)


…ほんとに、今日だけで死ぬほど疲れた。




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