レヴィオルストーリー3
「あれ、アレ~ン?」
急に寝転んだ青年の顔をまた覗き込むグロア。
うんざりしながらちらりとそちらを見やったアレンは、手の動きだけでどっか行け、と少女に伝えた。
すると意外にも素直に頷くグロアちゃん。
「また来るからっ!せいぜいあたしの暇つぶしになってねー♪」
「……何様?」
バタン、と閉まった扉を恨めしげに見ながらアレンは呟いた。
結局全く素直じゃなかった。
ていうか何なんだあの動き回る生き物は。
「剣さえあればこんな鎖…」
動かす度にジャラジャラうるさい腕を見て、勇者さまは思わず深い溜め息をついた。
まさかあの少女が剣を取ってくれる訳もないし、やっぱり逃げる方法は一つもない。
「ふぁあ…」
一つ欠伸をして目を閉じたアレンは、そのまま無意識に眠りの世界へと落ちていった。
――…疲れからか、扉の隙間から覗いていた影には気付かずに。