レヴィオルストーリー3
14.勇者と少女
薄暗い、窓一つない質素な部屋。
そんな部屋に、
「やっほ~ん」
――…腑抜けた少女特有の高い声、が響く。
「…またお前か」
本日五度目の訪問に溜め息をつきながらも、暇だったアレンはちらりとそちらを見てからごろりと寝転がった。
――…グロアとはじめて会ってから、もう三日が過ぎた。
このベッドに腰かけてきた少女は、毎日欠かさずアレンのところへ食事やら何やらを運びに来る。
ディルネはあれ以来夜にちらりと顔を出すだけだし、ゲインは相変わらずこそこそ訪れては独り言を言うだけ。
恐らく手を出すなとでも言われているのだろう。
そして、その三人の悪魔以外はここへ入ることを禁じられているようだった。
――…ただ一人を、除いては。
「…あっ、ジリル様」
一人でペラペラと喋っていたグロアが、慌てて立ち上がり頭を下げる。
頭だけ持ち上げたアレンは、それを当然とばかりに見下ろし歩み寄ってくる悪魔の王を瞳に捉えた。
「……ジリル」