レヴィオルストーリー3
「…だからと言って希望はないぞ。彼は君を助けには来ない。なにせ昔と入口が変わったからな。
アレン=ブロドニス、第44代目レヴィオル国勇者。君には私達の目的が達成されない限り、一生行方不明でいてもらう」
「……………………。」
「知っているだろう?悪魔には魔力の強い血が必要だ。
君ほど惜しい人材はない」
「………あっそ」
その真っ直ぐな瞳をしたまま、彼はアレンを見つめ真顔で告げた。
その様子に本気だと悟ったアレンは、ふいと視線を逸らして素っ気なく返す。
…本当に、自分でどうにかするしかない。
鎖やら手錠やらが擦れた手首や足首は、赤くなって傷んでいた。
「だから、運ばれる食料は食べたまえ。死なれてはこちらが困る。
いいか、グロア。無理矢理にでも食わせろ」
「は、はいっ」
手がつけられていない盆の上の昼食を目にし、ジリルは溜め息をついた。
声をかけられたグロアはビクリと肩を震わせ、上擦った声で返事をする。
「じゃあな、私は忙しいのだ。わざわざ食事のことで来てやったのだから、感謝しろ。
捕らえられているわりに君の待遇はいいのだから」
「……………………。」