レヴィオルストーリー3

返事をしないアレンを一瞥し、ジリルは部屋を去って行った。


しかめっ面した勇者様は閉まる扉を見届けると、舌打ちしてベッドに寝転がる。



「あ…アレン」


「……………………。」


「ね、ジリル様も言ってたし。食べよう?」


「……………………。」



ちらりとグロアを見やり、アレンは更に眉間に皺を寄せた。


彼は彼女が運んだ食事を一度も食べたことがないのだ。



「どうして食べないわけ?」


「………まずそう」


「馬鹿言わないでよっ、違うんでしょ。毒なんかないって」


「そんくらいわかってる。もういいよ、食べる。ジリルは来たから」



そう不機嫌そうに低く言うと、傍にあるパンを手に取りアレンはそれに食いついた。


グロアは呆気にとられながら彼を見つめる。



「へ?ジリル様に会うためだったの?」


「…別にそれだけじゃないけど、食べなかったらあいつかあの女が来ると思った」


「あの女?姉様?何で…??」


「情報収集」



< 213 / 500 >

この作品をシェア

pagetop