レヴィオルストーリー3
返事をしないアレンを一瞥し、ジリルは部屋を去って行った。
しかめっ面した勇者様は閉まる扉を見届けると、舌打ちしてベッドに寝転がる。
「あ…アレン」
「……………………。」
「ね、ジリル様も言ってたし。食べよう?」
「……………………。」
ちらりとグロアを見やり、アレンは更に眉間に皺を寄せた。
彼は彼女が運んだ食事を一度も食べたことがないのだ。
「どうして食べないわけ?」
「………まずそう」
「馬鹿言わないでよっ、違うんでしょ。毒なんかないって」
「そんくらいわかってる。もういいよ、食べる。ジリルは来たから」
そう不機嫌そうに低く言うと、傍にあるパンを手に取りアレンはそれに食いついた。
グロアは呆気にとられながら彼を見つめる。
「へ?ジリル様に会うためだったの?」
「…別にそれだけじゃないけど、食べなかったらあいつかあの女が来ると思った」
「あの女?姉様?何で…??」
「情報収集」