レヴィオルストーリー3
「…まだあんたにはわからないわよね。いいわ、何でもない。
とにかく、今は天使に勝てればそれでいいの」
ディルネはそう言うとアレンから離れ、グロアの頭を撫でると部屋を出ていった。
どうやらただの様子見だったらしい。
しばらく放心していたグロアはハッとベッドを振り返り、それから慌ててアレンに駆け寄った。
「あ、アレン。大丈夫?何もされてない??」
「……………………。」
腕を目元辺りにのせ横たわるアレンに少女はほっと安堵の息を吐く。
彼の腕の下から微かに視線を感じたからだ。
「アレン、狸寝入り上手いねッ」
「…どーでもいい」
腕を退かした青年はそう冷たく返すと横たわったまま少女を見上げた。
綺麗な碧の瞳と目が合い、グロアはほんのり頬を紅くする。
「……何で助けた?」
――…ふと、目の前の青年から放たれた短い言葉。
俯いて自分の世界に入りかけていたグロアは、最初はその意味がわからず首を傾げた。
しかしややあって理解したのか、アレンににっこり笑いかける。