レヴィオルストーリー3
「あたしだっていいこととダメなことの区別くらいつくわよっ!
姉様達がしてることは理不尽だから、あんまり手伝わないの」
「手伝ってるじゃねぇか、こうやって」
笑顔で言い張るグロアに空になった皿を指してみせ、アレンはしかめっ面を惜し気もなく見せつけた。
すると少女は頬を膨らまし、心外だとばかりに睨み付けてくる。
「だからあんまりって言ったでしょ。
大体ねー、あたしが持って来てあげてるんだから感謝しなさいよっ」
「この状況で感謝なんか出来るか」
「あっ確かに」
言い返したくせに流されるグロア。
こいつイルみたいで扱いやすい、などとアレンは少々酷いことを頭の中で思った。
そんな彼が文字通り呆れていると、グロアは気を取り直したのか咳払いをして、はきはきとしっかり喋り出す。
「んもう。とにかく曲がったことはしたくないの!
母さんと約束したんだから!!」
そう言い放つとボフンと音をたてベッドに座り、ふいとそっぽを向いてしまった。
何故にそこで怒るのかがわからないアレンは眉を潜めながら身を起こす。
「約束…母さん?」
小さく青年が訊ねると、振り返った少女は怒った顔のまま頷いた。
…だからなんでお前が怒るんだ、とは思ったがイル現象ということにしておく。