レヴィオルストーリー3
「なんで知ってんの!?」
焦りを含むものの小さく潜められた声。
アレンは身を乗り出し顔を近付けてきたグロアに面食らいながらもこう返す。
「…ゲインとかいうのがブツブツ言ってたから」
「ゲインが…?」
その返答を聞いたグロアは眉を潜め考え込んだ。
なんでアイツが知ってんの、とかこちらもブツブツ言いながら唸る。
その様子に首を傾げ、アレンはグロアに問いかけた。
「何?お前がジリルの娘だってのは秘密なのか??」
「…うん。だからそんなおっきい声で言わないでっ」
「…はいはい」
仕方なく自分も声を小さくする勇者。
彼はフォークをぶんどりサラダを頬張り、グロアを見ながらもリラックスしていた。
…言っておくが、ここは敵陣である。
「どっから知ったのかな…。姉様に知らせないと」
「何で秘密?」
「何でって、だってあたしは姉様とは違って側室の娘だし…って、何言わせんのよっ!ぎゃああ言っちゃったああ~っ!!」
ポロリしてしまったグロアは自分の失態に気付くと頭を抱えて嘆き出した。
こいつ正真正銘の馬鹿だ、そう確信したアレンはただただ無言でサラダを食べる。
どうやら3日間も何も食べなかったのはさすがにキツかったらしい。