レヴィオルストーリー3
「自分が王の娘だってわからなかったら、あたしは姉様とあんなに仲良くなれなかったもん。
姉様は最愛の妻さんとの娘だから特別扱いで、ジリル様がほんとにその人を大切にしてたんだってことはわかるし…」
えらく前向きなことを話すと、ぼすんとベッドに腰を降ろしてグロアはまた苦笑いした。
母さんはあんまり大切にされなかったけどね、などと言う少女にアレンは何も言えなくなる。
「…悪かったな、無理に聞いて」
そう謝ったアレンに驚き、グロアは目を丸くした。
それからブンブンと手を横に振りまくる。
「ううんっ!話したらスッキリしたっ!!気にしないでよっ」
「……うん、わかった」
あまりの必死さにそれだけしか言えない勇者。
さっきから苦笑しかしていない少女はまたもそれをしてみせ、それからぼそりと呟いた。
「ま、これからその姉様を裏切るんだけどね」
「………………は?」