レヴィオルストーリー3
グロアの小さな、しかし確実に聞こえる呟き。
だがそれよりも、アレンは彼女の“行動”の方に驚いた。
「はい、手始めにこれ」
「え…これ、って…」
戸惑いながらも差し出されたそれを受け取る。
アレンの手の中でカチャリと音を鳴らしたのは、父の形見である自分の愛剣と教皇に受け取った短剣だった。
いまいちグロアのしたいことがわからず、アレンは彼女を疑心暗鬼で見上げる。
「だから早く言ってくれたらよかったのに、って言ったでしょ?
あたし、元からこうするつもりだったんだからっ」
そうウインクして言う少女。
…本当に自分のしていることをわかっているのだろうか。
「あのさ…言うけど、お前これは国への反逆だろ」
「わかってる。けどあたしだって無償で助けるなんて言ってないでしょっ。条件付きよ!」
そう膨れて喚いたグロアは、渡したくせにアレンの手から剣と短剣を奪い取った。
それからそれをこれ見よがしに見せつけ、その条件とやらを言う。
…今までの発言もそれも、全部小言で。