レヴィオルストーリー3
「…で?他にも条件はあるんだろ??」
アレンがそう訊ねると、グロアはわかりやすくニヤリと笑った。
そして、これぞ本命とばかりにビシリと人差し指を突き出す。
「イエス!国を出る前に地下牢に寄りたいの!
この二つの条件を呑んでくれるなら、この国の出入口の場所と開き方を教えるわっ」
少女ははきはきと何とも元気よく言うのだが…
「…地下牢?」
眉間にシワを寄せ、アレンは少女から出た単語を繰り返した。
“地下牢”。
その一言でアレンの警戒ゲージが急激に上がってしまった。
(まさか脱走の手伝いと見せかけて地下牢に移す気か…?)
確かにアレンも地下牢には用はある。
なんたってそこの倉庫にあの大切な白い箱があるのだから。
しかしだからといって地下牢に行って、易々とまた捕まる訳にはいかないのだ。
「…何で地下牢?」
とりあえずアレンは理由を訊ねた。
よくよく考えると、地下牢に移すなら最初からそこに幽閉する筈だし、普通ならばこんな移し方はしない。
――…罠ではないかもしれない、でも罠かもしれない。
微妙な合間に揺れながらも、アレンはグロアの表情一つ一つを見逃さないように彼女を見つめた。