レヴィオルストーリー3
そして、作戦実行日。
それははじまった。
「怪我治せればよかったんだけど…。ごめんね、あたしが治癒魔法使えないから」
「別にいい。それより見張れ」
…めちゃくちゃ小声なこの会話。
その割に二人は堂々と城内を歩き、他の悪魔とすれ違っても知らんぷりを決め込んでいた。
「いーい?地下に行ったら右に曲がる!そしたら倉庫があるからっ」
「…それ今日12回目」
「いいのっ。で、あたしは左。牢屋に先に行くから早くリィ連れてきてよねっ」
「…わかったから威張るなもう黙れ」
すれ違う人々が胡散臭そうにグロアを見ているのを見て、アレンはしかめっ面してそう言った。
それもその筈、周りの人には今のグロアは一人でブツブツ言っている怪しい奴に見えるのだから。
「はいはい。あんたはいいわねっ、リィのおかげで気が楽で」
「キュー?」
「気にすんなリィ、ただの八つ当たりだから」
自分の肩に乗るリスの頭を撫で、アレンは周りを見渡した。
グロアによるとこの廊下を突き進むと階段があるらしく、まずはそれを降って一階にまで降りなければいけないらしい。
そこからまた地下に続く階段まで歩き、更に降りるとのこと。