レヴィオルストーリー3
今から5分前、アレンはまだあのベッドに繋がれていた。
しかし作戦実行、とグロアに剣をまた手渡され、自分で手錠や足枷を切って脱走。
そして天空リスであるリィに協力してもらい、リィを肩に乗せ透明になったのだ。
そうしてこの長い長い廊下を歩く今に至る。
もちろんグロアも一緒に行動するワケで、しかし透明になれるのは一人が限界なので彼女はそのままの姿で歩いていた。
「あった、階段」
またまた小さな、かろうじて聞き取れる声でグロアが言う。
その視線の先に目を向け、アレンはそれを確認した。
「…螺旋階段か」
立派な金をかけてそうなそれに感心し、手すりに触れたアレンはふと首を傾げた。
この階段、下の階を見下ろせるのだが…。
「…人、少なすぎじゃないか?」
「んっ?あぁ、また天使と一戦やってんのよ」
事も無げにさらりと言うグロア。
だがその言葉は争いが日常化していることを物語っていた。
(…ミュリエル、大丈夫かな)
争いごとが嫌いだった天使を思い出し、彼女を心配するアレン。
彼女がそれくらいで死ぬ程柔じゃないのは知っている。
が、精神面は別だ。