レヴィオルストーリー3
「記憶消去?」
「…してない。怪我は治したから夢だと思うだろ」
「あらまぁお優しいことっ」
「…うざい」
えーっ何か言ったあ?とまとわりついてくる少女を無視して歩く勇者。
すると、すぐにグロアが言っていたように左右の分かれ道が現れた。
「じゃあまた後でねっ」
「ん」
軽く言葉を交わしてそれぞれが向かうところへ足を進める。
アレンが曲がった右側は、電気がついていなく真っ暗だった。
その埃っぽさに一つ咳をすると、勇者は壁をつたって奥へ向かう。
魔法で灯りを灯してもいいのだが、もし万が一誰かがいれば透明でも存在がバレてしまうからだ。
(…あった)
暗闇に目が慣れてきたところで、倉庫らしきモノを発見。
足音を立てないように、しかし早足でそこまで行ったアレンは、グロアから予め渡されていた鍵を使い中に侵入した。
ちなみに、…鍵はさっき看守からパクった物である。
「…広い」
誰もいないとわかり呟き、魔法の灯りを作り出す。
ざっと見回した中にあの白い箱はなかった。
どこに隠してやがる、そう心の中で毒づき結局魔法で探しはじめる。
少しでも早く見つけて、さっさとここを出なければならないのだ。