レヴィオルストーリー3
「あれ?アレンっ??もしかしている!?」


グロアと分かれた道に戻り彼女が進んだ方向へ歩むと、目的の少女はすぐ見つかった。


一歩進んで目の前に広がる光景にアレンは息を呑む。



グロアが膝をつく前には、天井にまで伸びた太い棒。

しかもその棒は、ただの鉄の棒ではなくジュルスの石で出来た代物だった。


そんなさして広くない牢屋がこの部屋には複数。


数こそレヴィオルの半分以下だが、そこに入っている人数は桁違いに多かった。





「…そのアレンさんがいるの?」


ふと鈴を転がしたような細い小さな声がする。


その声がした方──グロアのいる場所の正面の牢屋に体を向けると、アレンはゆっくりそこに近付いた。



「キュー」


不意にリィが鳴いてアレンの肩から降りる。


天空リスは声を発した小さな金色に駆け寄ると、少女に嬉しそうにすりよった。


そしてリィがいなくなったことで、相手の目にはじめてアレンが映る。



「…はじめまして」



何の反応もなくほぼ無表情でそう言った天使ルネに、アレンは会釈だけを返した。





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