レヴィオルストーリー3
「……碧の…瞳…」
ポツリとアレンが呟くと、集団は身を乗り出しこちらを穴が空きそうなくらい凝視してきた。
戸惑いながらも歩み寄るアレン。
──…集団の人数は五人。
彼らの閉じ込められる牢屋の扉の前で、カツンと足音をたてアレンは立ち止まった。
「……エレス族…ですか?」
どうしたの、というグロアの問い掛けも耳に入らない。
囚人の一人が発した声に、自分の心臓がどくんと高鳴るのをアレンは感じた。
「…ハーフ。母親が、エレス族。貴方たちは…」
「そうよ。エレス族」
気の強そうな女性が牢屋の外の青年を見上げ、きっぱり言う。
その答えに目を見張り、アレンは改めて中の五人を観察した。
…碧の瞳は、全員ではない。
けれど、返事をしてきた気の強そうな女性と、その人にすがり付く少年少女はアレンと同じそれを持っていた。
残り二人は碧から少し色が抜けた蒼と、…銀色。
「…どういうこと?姉ちゃん」
女性の服の裾を引きながら、少年が訊く。
眉を潜めた女性は、アレンを見上げて真っ直ぐに目を見て話しかけてきた。