レヴィオルストーリー3
「…じゃあ、こういうのはどう?」


一人一人の顔を見てから、ニヤリと笑う。


こうなったら仕方ない。


グロアからの条件のルネは囚人全員で逃げなければ来ないみたいだし、とアレンは人差し指を突き出した。



「魔法は強いのは出来ないけど、俺がお前らを解放する。もちろん囚人全員だ。

そんで、皆で全力疾走。

看守は記憶だけ消してグロアが階段から落ちたんだと話して思い込ます」


「ちょっとっ、それあたし逃げれないじゃんっ」


アレンの言葉にグロアがいち早く反応した。


その前にその作戦の無謀さに気付いた方がいい、とかいう囚人の想いはとりあえず今は無視らしい。



「今すればいい。んでその後また眠ってもらう」


「…アレン、あんたほんっとに一国の王?」


「今はただの脱走した囚人だ」


グロアの発言にもお得意の黒い笑みで言うアレン。


囚人達は彼の提案にポカンと大口開けて驚いていたが、他のことにも度肝を抜かれた。



…そして、ルネはこんなときでも興味なさげだ。




「……一国の…王?」


蒼の瞳の青年が、アレンを指差しながら言う。


アレンはそちらをちらりと見ると、次の瞬間グロアを冷めた表情で睨んだ。



…その目の恐ろしいこと。





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