レヴィオルストーリー3
第六章◆
世界ファンリュジョン、その西の大陸。
レヴィオル国の東の街──トウキシティで、どでかい叫び声が響きに響いた。
「ぎぃやあああ~っ!待て待て待て待て話せばわかるうぐはぁ」
「うっさぁい!許さないわよっ!それに起きちゃうでしょっ、このバカギルク!!」
「ひぃいいぃすんません!!」
「うあああ~ん」
「ほらあもうっ!」
──…新しい二つの命が誕生して、早五日。
自宅出産したお母さんイルは、お父さんとなったギルクにめちゃくちゃ怒りまくっていた。
「あたしの話聞いてた!?
お・む・つ!!
オムツ買うのになぁんで三時間もかかんの、よっ!!」
「ぐへっ!痛い!!痛いから椅子を投げんな!!ごめんっつってんだろぉ~」
「うわあああ~ん」
「許さないっ!まさか友達と戦ってただなんて思わなかったわ!!失望っ!あたし失望したっ」
泣き出した赤ん坊を抱き寄せながら言うイル。
どうやらギルクがおつかい中に道草をくっていたようだ。
当の本人は「売られた喧嘩は買うもんだよなぁ」とか言ってもう一人の赤ん坊に話しかけている。
双子の赤ちゃんは、どちらもギルクと同じ赤い髪をしていた。