レヴィオルストーリー3
「悪かったな、話中断しちまって。で、何だ?」


今度は自分で茶を入れながら、どこからかせんべいを取り出したギルク。


エニスはこぶ茶を飲めないので喉の渇きそうなそれには手を出さず、真剣に目の前の赤い髪の青年を見つめた。



そして、口を開いてゆっくりと話をはじめる。




「…実は、三日前かな。アレンとも会談する予定だったんだ」


「あぁ、そういやあいつそんなこと言ってたなぁ。柄にもなく嬉しそうだったぜ」


──…嬉しそう、といっても他にはあまりわからない微かな変化ではあるが。


帰って来たらエニスとの会談だ、と言っていた彼を思い出しギルクは少し口元に笑みを浮かべた。



第一アレンがそう言うことをぼやくこと自体が珍しいのだ。



「嬉しそう…?そうか…」


エニスは意外そうに言うとユナルを見て微笑んだ。


こちらも柄にもなく嬉しそうだ。



「そんで、会談はどうだったんだぁ?」


ギルクは頬杖をつき、笑い合う二人に先を促した。


するとエニスもユナルも困ったように顔を見合わせる。



話の流れ的に不自然なそれに、ギルクは密かに眉を潜めた。



「それが…」


ユナルがギルクの黒い目を見上げ言葉を発する。




「急にキャンセルされたのよ。

理由も言われず、ただ電話だけが来て…」





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