レヴィオルストーリー3
そして、翌日。


「じゃあ行ってくるな!」


ニカッと白い歯を見せて言うギルク。


彼はイルの実家、シーア家の前の道路でたくさんの人に囲まれていた。



「ヘマすんじゃないわよ」

「気をつけてね」

「いってこい!」


口々に声をかけるのは、ギルクの姉レナと母ルナ、父グレヌ。


それぞれの言葉に「子供じゃねえんだからよ」と返し、ギルクは苦笑いした。



「あたしもあと一週間したら行くからっ!」


だから電話してね、

手紙出してね、

忘れないでねぇえ!


…とかいうイルは離れるのがかなり寂しいらしい。



彼女は城に行く予定を切り詰めた、と言っても何も聞かなかった。


大方忙しくて仕事が追いつかないとでも思っているのだろう。




「おぅ!一時間おきに電話するぜぇ!」


「きゃーっ、ギルクぅう嬉しいっ!!」


「………………………。」



ハイテンションなお見送りについて行けず、固まっているのはエニスとユナル。


その隣ですっかりなついたエジャスとウリナが、歩き出した父オージャスを見上げ首を傾げていた。




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