レヴィオルストーリー3
久しぶりに登場した勇者側近マケドニスは、彫刻化しているルティから部屋へと目を移した。


そして、更に更に眉間にシワを寄せる。



「……、どうして壁やら机やらが破損してるんでしょうか」


「…いや、あの、ギルクがよ…」


「おおお俺のせい!?ちげーからなっ?!」



ちょうどルティのでかい図体に隠れていたギルクが、慌ててそれを否定する為に身を乗り出した。


はじめて彼の存在に気付いたマケドニスは、怒りも忘れて目を見開く。




「……ぎ、ギルク様!?」


「お、おう?!ああ、俺だぜマケドニス」


オレオレ詐欺…、と呟いたエニスにも顔を向け、マケドニスはやっとこの場にいる面子を正確に把握した。


呆気にとられながらも、今度は彼が冷や汗を流す。



「…エニス君にユナルさんも…。い、一体どうしたんですか」


「…どうしたもこうしたもないだろう」


「ドタキャンした馬鹿アレンが全く連絡を寄越さないから、こうやって私達から来たのよ」


お邪魔してるわ、と軽く言ったユナルにマケドニスは反射的に礼をした。


どうやら挨拶されるとこうする習慣がついてしまっているらしい。




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