レヴィオルストーリー3
「マケドニス、アレンはどこだ?」


ギルクは散々はぐらかされて苛立っていた。

それ故にあろうことか師匠を一睨みしてから馴染みの彼に声をかける。



「…仕方ないですね。こうやって来られたからには言わないと」


「えええっ、いいのか!?」


目だけの師弟の激しい喧嘩を繰り広げていたルティは、愕然としながらマケドニスに視線を移した。


あそこまでして隠した自分の苦労は何だったんだという話だ。


しかしマケドニスは無情にも頷いてみせると、更に追い討ちをかける。



「ここの修理費払ってくださいね」


「んなぁ!?」


「ざまーみろ馬鹿師匠!」


「ギルク様、貴方もです」


「んなぁ!?」



アホらしいほどに師匠と全く同じ反応をしてみせたギルク。


いいから早くしてほしい、とエニスは何も言わないながらに思った。


それが通じたのかは不明だが、マケドニスは咳払いするとこちらを向いてくる。



「あの、すみませんでした。会談を急に取り消しにしてしまって…」


「あ、いや…」


「貴方達なら平気でしょう。理由もきちんとお話します」



そう告げたマケドニスは、少し疲れを滲ませた笑みを見せた。


それに眉を潜めながらも、来たばかりの三人は黙って頷いた。





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