レヴィオルストーリー3
疲れているのだろうか、とアレンは勘繰った。
何しろルネは囚人の全員の怪我を治し、更にはアレンのあの左腹のそれも治療してくれた。
『天使の力ならちょっとの魔力ですぐに治せるから』
それなら悪魔にはバレないでしょ、そう言って難なくやってみせたルネにグロアですら驚いていた。
凄い、と彼女に褒められ、ルネはその時だけ微かに微笑んだのだ。
その笑みに何か引っ掛かったことを思い出し、アレンは何だったっけと思案した。
「…なあに?」
考える内にじっと見ていたのだろうか。
ルネが首を傾げ顔を覗き込んできた。
「…あ、何でもない」
「?…変なの」
リィと戯れながら無表情で言うルネ。
普段無表情だと言われている自分はこんな感じなのか、とアレンは軽くどうでもいいことを思った。
しかし今はそれどころではない。
さっさとこの薄暗い城とおさらばして、ジスカル国を出なければ。
「最後尾に誰かエレス族二人いといて。戦う術がない奴は真ん中に挟む」
「…お世話になります」
魔力を持たず武器もない囚人たちは、申し訳なさそうに頭を下げた。
特に気にもしていないアレンは、立ち上がると服についた埃を払う。
何しろルネは囚人の全員の怪我を治し、更にはアレンのあの左腹のそれも治療してくれた。
『天使の力ならちょっとの魔力ですぐに治せるから』
それなら悪魔にはバレないでしょ、そう言って難なくやってみせたルネにグロアですら驚いていた。
凄い、と彼女に褒められ、ルネはその時だけ微かに微笑んだのだ。
その笑みに何か引っ掛かったことを思い出し、アレンは何だったっけと思案した。
「…なあに?」
考える内にじっと見ていたのだろうか。
ルネが首を傾げ顔を覗き込んできた。
「…あ、何でもない」
「?…変なの」
リィと戯れながら無表情で言うルネ。
普段無表情だと言われている自分はこんな感じなのか、とアレンは軽くどうでもいいことを思った。
しかし今はそれどころではない。
さっさとこの薄暗い城とおさらばして、ジスカル国を出なければ。
「最後尾に誰かエレス族二人いといて。戦う術がない奴は真ん中に挟む」
「…お世話になります」
魔力を持たず武器もない囚人たちは、申し訳なさそうに頭を下げた。
特に気にもしていないアレンは、立ち上がると服についた埃を払う。