レヴィオルストーリー3
「…何か?」


訊ねてきた青年にいい大人が顔を真っ赤にする。


それを見ていたハルアは、訳がわからないにしろ憐れみも含め呆れていた。


しかし門番は気にすることなくアレンにこう言う。



「中まで案内します!」


「皇帝様はお出かけ中ですので!自分は后妃様をお呼びします!!」


滅多にないチャンス、だとでも思っているのか。


息巻く勢いで半ば叫んでくる門番に、アレンは若干嫌気がさした。


しかしそれも申し訳ないし、何やら問題発言があったので脇に置いておく。



「シンク皇帝がいない?」


それが問題だった。


…『お出かけ中』。


まずったな、そう思いながらも門番に確かめる。



「はい、視察に行っております。ですがもうじきお帰りになられますよ!」


「どうぞごゆっくり!」


「いや、俺はゆっくりは出来ないんだけど…」


苦笑しながらも后妃のところへ案内してくれるらしいので、そのお言葉に甘えることにする。


しかし門番らは庭から皇居に入った瞬間何をしているんだと怒鳴られ、追い返されてしまった。


お次にやって来たのは、やっぱり頬を朱に染めている皇居の使用人。




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