レヴィオルストーリー3
「勇者」


「…はい?」


「だから、勇者」


「…ゆうしゃ?」


きょとんとするハルア。


その様子に駄目だわかってない、とげんなりしながらも、アレンは嫌々一番わかりやすい言葉で教えてやった。



「…レヴィオル国の、国王」


「……え!?」


ようやく理解したハルアは目を丸くする。


そして次に叫ぼうとし、しかし口をアレンに塞がれそれを出来なくなった。


抵抗しようとしたがそのタイミングでノックが響き、二人はバッと離れて座り直す。



「失礼します」


先程の使用人が扉を開け、背が高い女性を中に入れた。


女性が手を軽く上げると使用人は礼をし、スッと扉を閉め退散する。


最後に目が合って彼女が赤くなり、アレンは少し首を捻って眉を潜めた。


しかし入ってきた女性が目の前のソファに座り、視線をそちらに向けると真顔になる。



おそらく后妃であろうその女性は、長い黒い髪と橙の瞳を持っていた。


顔の両横でその長い髪の一部を独特なやり方でくくり、豪華な服装に身を包んでいる。





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