レヴィオルストーリー3
──…突如、大きな音を立てて開くドア。
応接室の壁に思いきりぶつかったそれは、バタバタ虚しく揺れ暫くしてピタリと止まった。
驚いたアレンがそちらを見ると、息を切らしたアルヴェイン国皇帝──シンク=エリアラス=アルヴェインが、自分を穴があかんばかりに見つめている。
「シンク皇帝…?」
あんまりにも見てくるものだから、アレンは少し表情をひきつらせた。
話しかけられてハッとしたのか、皇帝は一度首を軽く振る。
そして、ズカズカとこちらに歩み寄ってきた。
その剣幕に隣でハルアが息を呑むのが聞こえる。
「やっぱり、アレン君だ!悪魔の成りすましではないね?君の父上は誰だい!?」
「え、…ウィスカ、」
「よし本物だ!よかった、アレン君!」
がっちりアレンの肩を掴んでいたシンク皇帝は、そう言うと心底嬉しそうに微笑んだ。
怪我はないかい、そう聞かれて困惑しながらも頷く。
「なんじゃ、帰ってきたのか」
嵐のようにやって来た皇帝に、ダリアナ后妃は面白くなさそうに呟いた。
「ああ、ダリアナ、ただいま。アレン君の接待ありがとう」
「いや。楽しかった」
「そうか。…楽しかった!?」